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クレイグ・ライス『マローン殺し』

マローン殺し―マローン弁護士の事件簿〈1〉

先日、世界一のジョークなるものが決まったそうです。読んでみたけど、こりゃ酔っ払い親父の寝言と紙一重じゃないか? 悪趣味。

で、今日の読書はアメリカの作家クレイグ=ライスが生んだ探偵、刑事弁護士マローンの唯一の短編集。東京創元社の企画『私の一冊』でふうこのお気に入りの若竹七海氏ご推薦ということで手に取った一冊です。

さて、このマローンと言う男、酔いどれで女たらしで小汚いちび親父という三重苦。旧知の仲のフォン=フラナガン警部を昔の小さな失敗の数々をネタに振り回し、真犯人を追いつめるためなら殺人現場を荒らして当座の時間稼ぎまでする外道でもある。さらに犯人を言い当てた後その犯人の弁護につくという自己矛盾的な手法で依頼人を獲得するが、今まで裁判で負けたことはないらしい。まるで冗談です。

洒脱な文体は翻訳物にもかかわらずさくさく読めますが、非常にアメリカ的。つまり、アイロニックで大袈裟で冗談が多い。世間ではこういうのは「都会派」というようなんですが、うーん。都会派ってのは何でこう、ぼかした言い回しで分かる奴だけにやにやするのが好きかな。田舎者には分からんよ。いや、面白くないわけじゃないんだけど、面白いっていうより『面白い』ってこういうことを言うんだなーとか思いながら読んでる感じ。やっぱ蚊帳の外っつーのはつまらないもんです。てかどっちなんだよ<俺

ところでまた世界一のジョークの話に戻りますが。企画者の一人ワイズマン博士なる人物の世界周遊による調査によると、日本人にはジョークを語る習慣そのものを見つけるのが難しかったということです。ま、日本では上等な冗談は寄席に見にいくもんですからね。