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貫井徳郎『慟哭』

慟哭

今日の読書は先日名古屋にお泊まりオフに行った時に名古屋の丸善で手に入れた著者サイン本。今の丸善の店長はミステリオタクなので、出版社のパーティーの後とか狙いめですぜ。と宣伝しておこう。

さて、本作ではまず北村薫氏の手になる帯のアオリを。

題(タイトル)は『慟哭』
書き振りは《練達》
読み終えてみれば《仰天》

客観的な評価はおそらくこの言葉だけで十分です。デビュー作とはとても思えぬ筆致には「圧倒的」とか「重厚な」という表現が当てはまらないわけじゃないが、熟語にするとしたらやっぱり《練達》が一番はまるし、読み終えてみればまさに《仰天》の心持ちになります。「吃驚」もないことはないけど、それより文字どおり「天を仰ぐ」というか。それ以上は、もう説明すればする程野暮になるというのが実感です。あら筋の説明なんぞしたところで、読む上で何の助けにもなりません。後はご自分で確かめてくれというのみ。

とはいえそれだけじゃ何のアレもないので、ふうこからはひとつだけ。ただひたすら『慟哭』を象徴するシーンを目指して読んでほしい。泣けません。でも、実際に涙を流すよりずっと泣いた気がします。