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小野不由美『月の影 影の海 - 十二国記 -』(上・下)

月の影 影の海〈上〉 十二国記 月の影 影の海〈下〉 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート

ちょっと更新空きました。その間に読書が進んでいたり。この度読んだのは、この世界と次元を異にする『十二国』を舞台に繰り広げられる異世界ファンタジーの第一話。

さて、ご愛顧の皆様にはご存じの方も多いかと思いますが、ふうこの読書はミステリ一辺倒、ホラー嫌いのファンタジー敬遠派で通しております。それなのに何故今回の話に手を出したかと言えば、声優飛田展男氏の声優活動20周年記念イベント『宇宙色万華鏡』(2002年9月1日開催)の目玉である氏の朗読の演目として内定したという話があったためです。とりあえずどんな話かは把握しておこうかと。

そんなわけである種の義務感をもって読み始めたのですが、案の定ふうこの嫌いなタイプの話で、もーつまんなくてつまんなくて泣きそうになりました。苦行だとすら思いました…最初は。めそめそと後ろ向きな態度で自分を追いつめていた主人公が、途中でスイッチが切り替わるようにぱたっと前向きになったところから異様に面白くなり、結局あっという間に読み終わってしまいました。ついでに既刊(講談社X文庫ホワイトハート版で9冊)を大人買い。今『図南の翼』に入ったところです。…要は食わず嫌い。

とはいえ、読み切れたのは主人公の置かれた立場があまりに苛烈で、それに立ち向かう姿に読み応えを感じたというあたりが大きいです。やっぱり全編通してハートフルとか、主人公は始終なよなよしてて誰かに救われるといった話は、話のジャンルやできの良さとは関係なく好みでないようです。

とりあえず今回は、内容を言葉で説明するとどうも陳腐になってしまうので、あまり話の筋にふれないようにしました。どのような世界なのかはご自身の目でお確かめ下さい。シリーズ中どこから読んでも大丈夫なように配慮はされているようですが、第一話は一番最初に読まれた方がいいかと思います。