有栖川有栖『スイス時計の謎』
- 2003.06.09 Monday, 01:19
- [今日の読書]
はい、毎度々々文句を言いながら読んでいる有栖川作品。最新刊(2003年6月現在)の本作は表題作を含む4作が収録された短編集です。いずれも雑誌掲載、もしくはアンソロジーに収録されていて既読の作品が多いのが難ですが、まぁそれも仕方あるまい。
で、今回はどんないちゃもんつけるかというと(つけるの前提かい)…
別にないです。結構面白かった。表題作は久しぶりに作者から「挑戦状」まがいのコメントがついていますが、この辺は短編だということを念頭においた上で期待して OK です。ちょっと油断するとまたくっさい展開になったりしますが、もういい加減慣れたよ(笑) どこまでも様式美の人なんだね、この人…それでいいや。
むしろ今回は講談社にひとこと言いたい。この間『メフィスト(小説現代 2003 年 5 月増刊号)』(2003-04-12発売)に載っけたのを1ヶ月も経たんうちに単行本に収録するとは…(しかも表題作)。単行本と雑誌掲載、どっちの話が先だったのか知りませんが、その商魂の逞しさには恐れ入ったよ。