ふうこのばけつ Archives

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演劇『レッドA』

W杯終わりましたね。カーンの応援歌日本語版ほしー。2005-05-20T20:41:28+09:00 追記:手に入れました。

で、久しぶりのエンタメは、ふうこが上京してからこっち毎回参上している劇集団《RELAX》の年次公演です。声優飛田展男氏の所属している劇団と言えば『ああ(-_- )』と思う常連様もいらっしゃるかと。

演劇をご紹介するのは初めてなので、まず最初に《RELAX》について。惹句は会話中心のストレートプレイを売りとする劇集団…といってもふうこ演劇は詳しくないのでストレートプレイがどっちを向いているのかはよく分かりませんが、皆さんが「劇」と言われて思い出す辺りかとは思います。演技は常に一定レベルをクリアする安定感があり、脚本・演出を担当する EMI さんは1998年初演の『ペナルティー・マリア』で第4回日本劇作家協会新人戯曲賞優秀賞を受賞されている気鋭。サスペンス系をお得意とされているようです。

今回のシナリオもサスペンス風味、マザーグースの見立てと思われる夫婦惨殺事件に巻き込まれたジャックと、姉弟同然に育ったマリアとジルを中心に進みます。昨今のミステリのストーリーテリングの定石を完璧に押さえてある脚本で、モロふうこ好み。また普段は会話中心の売り文句やミステリ風味であるせいか、やや会話の勝ったところもあるのですが、今回は演技と会話がよくなじんでいて、こなれてきたなーという印象を持ちました。ただラストはミステリ好きとしてはにやりとしたけど、『ペナルティー・マリア』の時の衝撃は超えなかったかな…

劇団全体としては、敢えて言うなら落ち着きはあるけどライブならではのパワーという点では物足りない、という感じはあるのですが、じりじりと観客も増えてきていますし、少しずつ新しいものを取り入れつつ着実にキャリアを重ねており、これからがますます楽しみな劇団です。ふうこの少ない引き出しから損はしないから見ろと胸を張ってお勧めできるものの一つかな。

そうそう、今年10月には最高傑作の呼び声高い『フレームアップ・クライスト』の再演がありますので、ご都合のつく方はいかがでしょう?

《RELAX》『レッドA』