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映画『ヴィドック』

今日の映画は何とおフランスもの。19世紀に実在し、『レ・ミゼラブル』の主人公ジャン=バルジャンのモデルにもなったと言われる伝説的な探偵ヴィドックを題材にしたサスペンス…かな?

お話は、鏡の面を被った謎の男を追っていたヴィドックが返り討ちにあって死亡したというニュースから始まります。失意に沈むヴィドックの相棒ニミエは彼の生前に半生記を出す話をつけていたという伝記作家エチエンヌの訪問を受け、エチエンヌはヴィドックの敵を討つと言って調査に乗り出すが、そこには意外な真相が…

フランスでは200万人動員とか、なんとか映画祭グランプリとかの看板背負って鳴り物入りでの公開でしたが、中身はなんつーか、デジタルエフェクトの展覧会に限りなく近いしろものでした。しかも18~19世紀のガス燈の時代を反映して全体的に照明が暗い上にやたら目元のアップを多用するカメラワークでえらい見づらい。さらにふうこ本格推理らしいとかガセネタに騙されて見に行ったもんだから、錬金術がどうのこうのと言い出した時点で萎えまくってました。

…確かに絵はその道でならした人間の監督作品だけあって綺麗は綺麗だったし(しかし何故西洋人はジョン・ウーみたいなくにゃくにゃした動きが好きかな~)、ストーリーも「本格」まではいかないにしてもミステリを選って読むような偏屈以外には甘い点がつけられる余地もあったので、フランスでのヴィドックの知名度を考えたら『陰気くさい(そしておっさんくさい)ルパンIII世』くらいのイメージで見られるのかもしれません。

ま、ふうこ的には話にしろ絵にしろ、もうちょいすっきり見せろよ~という感じでした。ハイ。