ふうこのばけつ Archives

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恩田陸『図書室の海』

図書室の海

今回は、ふうこが自分に雑誌までの追従を義務づける唯一の作家、恩田陸氏があちこちの雑誌・アンソロジーにピンポイントで執筆した作品を収録した短編集です。

この方は一昨年あたりから注目を浴びはじめ、その頃から仕事の量も意図的に増やされたようで、最近は年に10冊近くなるんじゃないかというほど単行本が出ているのですが、それでもどこにも入らなかった小品がこの本に集められたようです。

いきおいここ2、3年の作品が多くなりますが、やはり作者が意欲的な時期に(イヤ今意欲的じゃないっていうわけじゃないけど)書かれたものが集まっているだけに、物語は各々独立しているにもかかわらず、どことなく統一感があります。生きていると少なからず抱える心のわだかまりやささいな拘りから字義通りの「ミステリー」を見いだす手法、幻と現実が交錯する物語運び、といった「恩田流」が作品群の骨格をがっちり支えています。

逆に寄せ集めのくせに思ったより遊んでないな~とも言えるか…まぁ作品としては「安全牌」ですかね。

さーて、次は『劫尽童女』なんだけど…こいつは光文社刊『ジャーロ』で連載されてた時からものすごいダメだったんだよな…買うと思うけど読まないでしょう。

2005-05-18T20:59:40+09:00 追記:そして、やっぱり買ったけど今に至るまで読んでない。