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ゆうきまさみ『機動警察パトレイバー』

機動警察パトレイバー (11)

先日見た映画『WXIII(廃棄物13号)』の原作を読むことができました(書影は文庫版第11巻)。てっきり番外編か何かかと思ってましたが、それこそ雑誌に十余週にもわたって連載された立派なエピソードだったんですねぇ。が、しかし…

えらいこっちゃ。映画ホントに全然原作と関係ねぇ(笑)

脇で映画にも原作にも登場するのは精々東都生物医学研究所まわりのお歴々くらいで、後は全部脚本とり・みき氏の俺設定。よーくパンフ見てみるとゆうきまさみ氏は原案で出てるんでどこにも嘘はないんですが。

さて、パンフに載っている談話を一通り読んでみると、どの方のものにも怪獣映画世界観というキーワードが散見されます。『パトレイバー』は好きだ。だけど作りたいのは『怪獣映画』だ。映画は、ひたすら私たちより10年ほど年上の世代の人たちが夢中になった「怪獣」へのオマージュであったというのです。制作側は、何よりもゆうきまさみ氏の「原案」にそのことを感じたから、原案のもつ「世界観」を取り入れた上で敢えて自分の知っている「怪獣映画」により近い形に昇華したのだと。確かに、ふうこが映画館で見たのはそういうものでした。見事な立ちっぷりに改めて敬服の至り。

また、原案の方も世界観が欲しかったとそれだけで十分原案たる理由がある作品であったこともこの完成度の要因でしょう。第1巻の巻末には映画『踊る大捜査線』の監督がパトレイバーを意識して作ったと文を寄せていました。『パトレイバー』にはそういう部分がある。リアルタイムは横目で見逃してましたが、今頃ハマりそうな予感です。

ところで、どっかで同じよーな話を聞いた気がするな~と思ったら、『機動武闘伝Gガンダム』の今川泰宏監督があれが僕にとってのガンダムというようなことを語っていたのを思い出しました。…うーん。えらいアプローチの違いですな。