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さて、午後は是非美術館に行ってみたいと思っていたのだけど、何しろルーブル、オルセー、その他諸々候補が多すぎて困ります。相方はこの旅行に立つ前、何度もパリに行ったという美容師さんにオルセーの方が日本人にとって馴染みやすいと聞いてきました。確かに、オルセーは印象派の絵が多いのですよね。ルーブルは絵画も印象派以前のものが多いし、彫刻や遺跡から発掘された古代の陶器など、半分は美術館というよりむしろ博物館に近い様相を呈しています。…なんでそんな詳しいかといえば、勿論見に行ったから。時間もないし、案内もなく歩けるほどの知識は勿論ない…ということで、例によって到着時にもらったパンフからマイバス社のルーブル美術館見学ツアーをチョイスしました。ここのツアーでは、参加者はイヤホンを貸し出され、同行のガイドがマイクで話した説明をそれで受信するというシステムを採っていて、混み合う館内でちょっと集団から離れても安心です。

市内観光の後、朝の集合場所だった PARIS LOOK で免税の説明を受けさせられて昼食が取れなかったので、集合場所のマイバス本社に行く途中でおいしそうなバケットサンドを売っている店に寄ります。名前なんだっけなー…。市内観光の時、ガイド氏が有名だって言ってたんだよな。ショウケースの中の品物を指差して、数を指で示すということを繰り返して何とか注文。相変わらず仏語はメルシィしか使えません。

で、そのバケットをかじりながらてくてく歩いてしばし迷い、相方がひとつ食べ終わる頃にやっと到着。中は受付と集合者の待合室になっていて、待合室の壁際にぐるりと椅子が並んでいます。ふうこはたまたま空いた席に座ってバケットの残りをもぐもぐ。…その場にいた人たちに怪訝な顔をされてしまいました…（当たり前）。食べ終わってしばらくぼんやりしていると、本日のガイドさんがやってきてイヤホンを配り始めました。背が小さくて猫背のおばさんで、小柄の入った紺のワンピースを着ています。…誰かに似てる……分かった、ふうこの高校2年生の時の担任。友人たちには「おてもやん」と言った方が通りが良いだろう。ガイド氏はほっぺは赤くなかったけど。

さて、出かける前に各自のイヤホンの感度テストをしてから、徒歩でルーブル美術館に向かいます。耳からへんな箱がぶら下がっている妙な集団(^^;) ルーブルへは北側の翼（リシュリュー翼）の裏から入り、中央の広場で一旦カルーゼルの凱旋門や馬に乗ったナポレオン像の説明を受け、ミッテラン大統領の時代に作られたガラスのピラミッドの真下に入ります。このガラスのピラミッド、計画が発表された当時はパリ市民の非難囂々だったらしいですが、大統領はエッフェル塔が建設された当時景観が破壊されるとの市民の反対があった例を挙げて100年後にはパリのシンボルになるとこれを押し切ったそうです。

さて、館内についてはコンパクトにトピックのみを。

• ガラスのピラミッドの真下から展示室に入る時、手に飲み物を持っている人は没収されますが、鞄の中までは見られません。それでちょっと助かった。
• 館内は一応フラッシュ禁止ということになっていますが、みんな焚きまくり。てか、レンズ付きフィルムも入り口で没収した方がいいぞ。
• 国の文化教育水準の高さを反映してかフランスの公立美術館では18歳以下の入館料が無料ですが、それを利用してルーブルでは子どものスリ集団が入り込み、展示品を見上げてばかりで手許を注意していない客から財布をスリ取るそうです。ちなみに彼等の最大の狩り場は…そう、『モナリザ』の前。
• さすがに途中疲れて、１回だけ展示点数の多い部屋で設置されたソファに座って皆を待ったりしましたが、それでもちゃんと解説はイヤホンから聞こえるので便利(^^) このツアーは買いです。
• 南出口の付近にお土産屋と郵便局があります。パリからの絵はがきはここから出しましたが、カウンターのおじさんは絵はがきを見るとこっちの方が速いからと航空便用の封筒に入れてくれました。親切(^^) 実際 Royal Mail と違って中2日で届いたようです。…でも、切手貼りたかったな。

いやしかし、『ミロのビーナス』も『サモトラケのニケ』も『モナリザ』も見られたし、ホントよかったー。大満足してホテルに戻りました。途中でグラニュー糖をまぶした上にコアントロー（オレンジリキュール）を振りかけたクレープと２リットルのエビアンを求めたのですが、一息ついてから相方が少し胸を悪そうにしながら、

相方…ね、クレープひとつでよかったんじゃないの？

ふうこ…だって、『ドゥ コアントロー』（コアントロー２つ）って頼みたかったんだもん…

相方…（そんな理由かよ。）

小さなことで一喜一憂しながらばたばたやってきた珍道中も、いよいよ明日でおしまいです。