ふうこのばけつ Archives

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映画『WXIII(廃棄物13号)』

やー。四月馬鹿です。今年は早くも桜が終わりましたが。ちなみに、花見に合わせて樹にぼんぼりつけたりする商店街などは年度末を待たずに咲かれてしまって予算が大変なんだそうです。

さて、今回のエンタメは『機動警察パトレイバー』の挿話を原作としたアニメです。制作側はあまりにもパトレイバーと関係がないからパトレイバーだとあまり言わないようにしていたということでしたが、ふうこ自身はパトレイバーまともに知らないので全然おっけー。変に知識が必要だったら見に行けません(^^;

お話は、あるレイバー連続襲撃事件を追跡する刑事が、先頃知り合った女性がその糸の先にいることに気づき…という割合古典的な筋書き。そしてレイバー連続襲撃事件の「犯人」と相対するため、パトレイバー「イングラム」が出動します。

全体的にはとても丁寧なつくりで、最後までダレることも置いて行かれることもなく見られました。また、商業的に成功した作品をオヤにもつ映像作品にありがちな変なサービスとか寄り道も目に付きません。それでも某所で聞いたところによると今までのパトレイバー関連の映画の内で一番パトレイバーが動いているのだそうで。まぁ野明ちゃんにもう一度会いたい~な人(いるか知らんが)はちょっと寂しいかもしれませんけど。そうそう、野明の作画にも驚きました。よくあの主人公顔を完全脇役テイストにおとしたな~という(笑)。本当に脇目もふらずに「見せたいもの」だけを抽出しているあたり、ふうこ的にはかなりポイント高しです。

それにしてもタイトルをご覧になれば分かるとおり、モチーフは割合手垢のついたものです。目を覆うような醜悪さを持つ怪物と、女性性の絡み合いという。『アキラ』とか『エヴァンゲリオン』みたいな、うねうねした「怪物」テイストのキャラが出てくるお話には必ず取り上げられるような(註:単なるイメージで実際の筋書きにはあまり頓着してません。あしからず)。が、本作はともすればドロドロしがちなテーマを取り上げているにもかかわらず何故か TV の2時間ドラマを見ているような気軽さもあるのが不思議です。

要は、ただ楽しむために見る映画としてはベストバランス、ということでした。…最近そればっか追求してるな、俺…